Za'atar（ザータル、ザーター）は、中東や地中海地方に自生するハーブ（野生のタイム）です。
乾燥させて、ゴマやスマック（酸味スパイス）などとブレンドしたザータルは、さまざまな料理に使われ、中東の人々の日常生活に欠かせない調味料となっています。たとえば、パンにオリーブオイルとザータルミックスを付けたものは朝食の定番です。焼いた肉や魚に振りかけたり、サラダのドレッシングに加えても美味しいです。ひとつまみ加えるだけで、どんな料理もあっという間に香り豊かな中東の味になるのです。抗酸化作用など様々な効能があるとも言われています。
先日、京都在住のパレスチナ人のお友達から、「ザータル・ティー」のティーバッグをいただきました。開けてみると馴染みのあるザータルの香り。たいへん美味しかった、と後日お礼を言ったら、今度はパレスチナから持ってきた乾燥ザータルをくださいました！ 調味料としてのザータルミックスは日本でも通販で買えるようですが、ザータルそのものは、日本ではまず手に入らないでしょう。「そんな貴重なものを私などがもらっては…」と固辞したのですが、中東の人たちは全く物惜しみをしないのです。手早く空き瓶に小分けして、「どうぞどうぞ、もらってください」。
この乾燥ザータルと、緑茶または紅茶の茶葉をポットに入れて熱いお湯を注げば、上品な香りの「ザータル・ティー」の出来上がりです。年明けの中東料理クラスin京都のレッスンで、みなさんにも食後にこの珍しい「ザータル・ティー」のお味見をしていただきますね。なくなり次第終了、御免！です。